非常線の女

Dragnet Girl

映画 | 小津安二郎(1903-1963)

Dragnet Girl

非常線の女

Hijôsen no onna

© 1933/2022 Shochiku Co., Ltd.

小津作品の中で、例外的なのがこの無声映画です。横浜の港町を舞台にしたギャング映画であり、小津が初期のハリウッド犯罪映画やヨゼフ・フォン・スタンバーグ監督に憧れを抱いていたことを示す作品です。トレンチコートにフェルトハット姿の主人公たちは、路上や煙たいビリアード場、ジャズクラブ、ボクシングリングを彷徨います。

注目は、三流ヤクザの襄二と、当時24歳の田中絹代が演じる恋人の時子の間の気難しい人間関係です。昼間、タイピストとして働く時子は、ヤクザ集団に新しく加わった兄を持つ和子に、襄二が次第に心を奪われていく様子に気付きます。嫉妬と同情の間で揺れ動く時子は恋人に犯罪から足を洗うよう説得します。

映画特集のオープニング

Daniel Kothenschulte, Foto © privat


イントロダクション:オラフ・メラー
ピアノ:ダニエル・コーテンシュルテ

オラフ・メラーはフリーライターで、ロッテルダム映画祭などのプログラム編集者です。ヘルシンキのアールト大学で映画史、映画理論の講師を務め、映画に関する著書は多数あり、ケルンではシティマガジン『シュタットレビュー』に寄稿しています。

ダニエル・コーテンシュルテは映画・美術評論家、キュレーター、無声映画ピアニストです。2001年より『フランクフルタールンドシャウ』紙の映画特集の責任者を務め、ドイツ映画博物館(フランクフルト、2008)やアカデミー美術館での宮崎駿展(ロサンゼルス、2021)など、アニメに関する展覧会のカタログ執筆者でもあり、多数の書籍を出版しています。

日時
2023年11月17日 18:30

場所
Japanisches Kulturinstitut
Universitätsstraße 98
50674 Köln

料金
入場無料

映画情報

  • 監督: 非常線の女
  • 上映時間: 120分
  • 公開年:: 1933年
  • Übersetzung: 英語字幕
  • Format: DCP

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