ルール炭田の日本人
越境者たち
ルール炭田の日本人
越境者たち
シンポジウム
基調講演:
レギーネ・マティアス教授(アルザス欧州日本学研究所 CEEJA 副会長)
「ガストアルバイター、あるいは技術移転?ルール地方における日本人炭鉱労働者の背景について」
シンポジウム:
パネリスト:石井香江教授(同志社大学グローバル地域文化学部)
コメント:川辺ナホ(美術家)
モデレーター:徳山由香(現代美術研究者/キュレーター)
シンポジウム通訳:マイト・ピア智子
*講演はドイツ語のみ、概要を日本語にて配布。シンポジウムはドイツ語・日本語逐次通訳あり。
*このイベントは、Zoomウェビナーとして自宅からオンラインで視聴可能。
>Zoomウェビナーはこちらから
ルール地方の炭鉱における日本人労働者の存在は、当時を直接知るものをのぞいて長く知られてこなかった。その全容をドイツで初めて紹介した書 Japanische Bergleute im Ruhrgebiet “Glückauf” :片岡淳、独日協会ニーダーライン編 『グリュックアウフ:ルール地方における日本人炭鉱夫』(日本語版は私家版)が刊行されたのは、2012年のことだ。
このたび「ルール炭田の日本人」展を開催するにあたって同書の著者の一人であるレギーネ・マティアス教授を迎えて、ルール炭鉱に日本人が派遣された歴史的経緯や当時の状況を紹介する。
シンポジウムではパネリストに日本・ドイツ近代労働・社会史、ジェンダー労働を専門とする石井香江教授を招き、考察を深める。ドイツにおける日本の炭鉱労働史の研究者とドイツ史に向き合う日本人研究者、そして美術の分野からの歴史への視点、と異なる眼差しの交錯によって歴史を捉え直す契機としたい。
国家間の事業でドイツにやってきた労働者たちと、個人意思で渡航しルール炭田で働きながら生活を切り拓いた人、そして女性達の来し方といった周縁にも光を当てることで、人々の軌跡を次の世代に継承していく機会となるだろう。この会では、登壇者だけでなく多くの観客の声を聞き、生きるという経験を世代を越えて共有する場となることを期待している。